「すずあかね」出荷へ準備着々 浦河、様似のイチゴ農家

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年5月27日

 浦河町と様似町のイチゴ農家のビニールハウスで、6月中旬から共同選果の出荷が始まる夏秋採りイチゴ「すずあかね」の栽培が忙しくなる時期だ。品質と生産量の向上に向け、苗や土壌、温度の管理など細やかな作業が日々続く。

 9割強がケーキなど加工向けのすずあかね。今年度の生産農家は、新規就農者を加え前年度より5戸多い47戸(浦河町25戸、様似町22戸)。栽培面積は7万1000平方メートルで、前年度より5000平方メートルほど増加した。販売額は4億9200万円を計画し、冬イチゴなどを含めて栽培農家全体で5億2960万円と初の5億円台が目標だ。

 浦河町が整備し、新規就農者にリースしている向別地区のイチゴハウスでは、2月中下旬に植えたすずあかねの苗が育ち、これから花が咲き、赤い甘い香りのイチゴがたわわと実る時期。

 地元浦河町出身で昨年新規就農した大島泰弘さん(63)は4棟(1棟330平方メートル)のハウスで栽培。長く郵便局員として勤務した大島さんは、次男が浦河にUターンしてきたことを機に「一緒にイチゴを栽培しよう」とイチゴ農家として再スタートした。「初めての昨年は分からないことが多く、失敗もあった」と振り返る。それでも初年度の生産は、すずあかね生産者の平均を上回った。農業改良普及員からの助言で「ちょっとした苗の植え方一つで生育が違ってくるのを知った」と言う。

 就業2年目でまだまだ試行錯誤が続くが、それでも「イチゴ作りは楽しい」と話している。

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