白老 建設工事始まる 星野リゾート 界ポロト21年冬開業へ アイヌ文化や北海道の自然体感

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  • 2020年5月27日

 総合リゾート運営会社の星野リゾート(本社長野県軽井沢町)は、白老町若草町1のポロト湖畔で高級温泉宿泊施設の建設工事を始めた。民族共生象徴空間(ウポポイ)の隣接地に整備する施設は42室を備え、アイヌ文化や北海道の自然を体感できる設計とし、「星野リゾート 界ポロト」の名称で2021年冬のオープンを目指す。

 ポロト湖畔で今月着工した施設は、同社が全国16カ所で展開する温泉旅館ブランド「界」シリーズの位置付け。建物は4階建て、延べ床面積4900平方メートルで、湖畔の敷地9960平方メートルの中央部にロビー棟や42室の宿泊棟、湖岸付近に宿泊客専用の露天風呂付き温泉浴場施設を整備する。別棟で日帰り客用の浴場施設も設ける計画だ。

 施設のデザインコンセプトは「アイヌ民族の暮らしや自然観、家族観から学び、現代に合った新しい形を再現」とし、全客室からポロト湖の四季折々の景色が眺められるように設計。ロビーは白樺林をイメージし、ラウンジにはアイヌ民族の昔の暮らしの雰囲気を醸し出すいろりを設ける。

 モール温泉が楽しめる湖岸付近の浴場は、アイヌ民族の伝統建築・丸太組み3脚構造をイメージして建設し、湖上で湯小屋が集落のようにたたずむ景観とする。同社は「宿泊客がアイヌ文化や異なる民族との共生を体感できるよう、こだわりのおもてなしを提供したい」としている。

 用地では今後、敷地の造成やくい打ち、基礎工事などを行い、7月から施設本体の建設に着手し、10月下旬から内外装の仕上げ作業に入る。来年3月からは建物周辺の舗装、植栽などの外構工事も進め、同年9月末までに完了させる予定だ。

 星野リゾートは18年6月、白老町とパートナーシップ協定を締結。今年4月のアイヌ文化復興拠点・ウポポイ開業を見据え、旧ポロト温泉跡の町有地を取得した。当初は20年度中のオープンを予定していたが、建設資材の高騰や施設レイアウトの見直しなどで着工が遅れ、21年度の開業へずれ込んだ。

 同社による道内の宿泊施設展開としては、上川管内占冠村の「リジナーレトマム」、旭川市の「OMO7旭川」に続いて3件目となる。

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