厚真コロナ揺るがす復興 先行き見えぬイベント開催

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2020年4月24日

 新型コロナウイルスの感染が全国で流行する中、胆振東部地震からの復興を後押しするイベントとなる、厚真町の「あつま田舎まつり」「田んぼのオーナー事業」など一連の大型催事が開催と中止の岐路に立たされている。交流人口となる町外からの観光客が多いため、感染拡大に終息の兆しが見通せず、開催に踏み切るのが難しい。関係者が頭を悩ませている。

 町観光協会は、26日に予定していた田んぼのオーナー事業の「種まき見学会」を中止することにした。同協会と地元の稲作農家が提携して2007年度に始まった事業。昨年は、震災で甚大な被害を受けた同町の復興を応援する人が多かったことから、過去最多を大幅に更新する95区画分約260人が米作りを体験した。今年も道内外から74区画の申し込みがあり、田植えは5月下旬、稲刈りは10月頃を予定しているが、今後の状況によっては開催を見送る可能性もあり得るという。

 例年6月中旬に行われる町内最大規模の伝統イベント「あつま田舎まつり」については、まだ正式な決定はしてない。今月末に関係者が総会を開き、最終的な判断を下すことになっている。例年、町内外から2万人を超える来場者があることから、感染リスクを踏まえると「開催するのは難しい」との見方が強い。

 このほか、町の特産品ハスカップをPRするイベント「厚真産ハスカップフェア」も現在中止の方向で調整している。町内でハスカップ狩りを楽しめる観光農園は各生産農家が判断することになるが、直前まで様子を見ることになりそうだ。

こんな記事も読まれています

ニュースカレンダー

紙面ビューアー