新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、むかわ町内では3月以降、地域サロンなどのイベントが軒並み中止になり、コミュニティーの場が失われつつある。高齢化や独居老人も多い町とあって、関係者は「イベントが数カ月途絶えることで、自宅に引き込んでしまう可能性がある」と不安を募らせる。
むかわ町社会福祉協議会では新型コロナの感染拡大で、3月の地域サロン「なかよし広場」と鵡川、穂別地区での「いきいきふれあいサロン」がそれぞれ中止。現時点で収束の兆しが見えず、今月、来月も開催を取りやめる方向だ。このほか、JR鵡川駅東側の交通ターミナルで行っている支え合い共に生きる会による「みんなの茶店」も3月以降できていない。
同町では65歳以上の高齢化率が4割を超え、1人暮らしの高齢者世帯も増加傾向にある状況。町社協の佐藤俊博会長は、「高齢者の方々が家に閉じこもってしまわないか心配」と危惧する。中でもいきいきふれあいサロンは外出機会の少ない65歳以上が対象で、多い時は80人を超える人が集合。レクリエーションの場にもなっており、「人数制限をするのも難しい」と頭を悩ませる。
町教育委員会も「ふれあい大学専科講座」の3、4月分計11回の開講を軒並み断念。5月についても現時点で開催を見送る方針で、先行きは見通せない。町教委の担当者は「今後、人が集まらなくてもできるような事業を検討していきたい」と話している。