サケのふるさと千歳水族館=千歳市花園2=の水中観察窓に、上流から放流されたサケの稚魚たちが姿を見せ、入館者の目を楽しませている。
地階の水中観察窓は、千歳川の川底を見ることができる。自然河川を目にできるのは世界でも珍しいという。
稚魚は、同館から10キロ上流域の国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所が放流したものらしい。
体に斑紋(パーマーク)を付けた稚魚は個体差もあるが体長4~5センチ。雪解け水で水かさが増した川は流れも速い。流れにあらがい必死に泳ぎ、流れの緩い観察窓前で身を休めている。
同水族館は「水温が4・5度と低いが、早い稚魚は7~10日、遅い稚魚も3~4週間で70キロ離れた石狩川の河口にたどり着く」と話し、観察窓からは「5月末まで見ることができる」という。稚魚は川で水生昆虫の幼生ユスリカを食している。
初めて訪れたという帯広市の会社員佐藤善弘さん(52)は「昨年はサケが全道的に不漁だったので、3~4年後にはいっぱい帰って来てほしい」と話していた。