北海道電力は30日、中間点検で7月8日から運転を停止している苫東厚真火力発電所(厚真町浜厚真、総出力165万キロワット)の4号機を報道陣に公開した。昨年の胆振東部地震が原因で出火したタービンをはじめ、発電所の運転や監視を行う中央操作室など各施設を担当者が説明。今後の安定した電力供給に向けての対策が報告された。
同発電所の村山淳所長は、「今回の定期点検は冬期間の電力安定供給に大変重要」と強調。その後、建屋の中央操作室や分解中の4号機のタービン、昨年の地震で出火した軸受け部分などを公開した。出火原因は「地震の揺れでボルトがずれたことで油が漏れ出したため」とし、今回の点検でワッシャーを追加し、ボルトの緩み防止を強化するなどの対策を説明した。
中間点検は、4年ごとの定期事業者検査の中間年に自社で実施している。工事は7月8日に始まり、4号機の主タービン本体を分解。電気を発生させるタービンに蒸気を送る弁などの部品の解析や、地震の影響も確認している。点検が完了する11月10日までは1、2号機で発電する。
同発電所は、昨年9月の地震発生時に火災や発電設備の損傷で3基すべてが緊急停止し、道内全域におよぶ大規模停電(ブラックアウト)の原因となった。同19日に1号機(最大出力35万キロワット)、25日に4号機(同70万キロワット)、10月10日に2号機(同60万キロワット)が復旧した。