ドライブレコーダー購入者が急増 茨城のあおり運転殴打事件―市民に危機意識

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  • 2019年8月29日
ドライブレコーダーがずらりと並ぶ苫小牧市内のホームセンターの売り場

  茨城県守谷市の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件を受け、苫小牧市内のカー用品店などでもドライブレコーダーの購入者が急増している。今回の事件では、車内で運転手が殴られている様子もレコーダーに記録されていたことから車の前後だけではなく、360度死角なく撮影可能な商品への引き合いが強まっているという。

  約40種類のドライブレコーダーを取りそろえているオートバックス苫小牧店(柳町)では、今回の事件後、例年の約2倍ペースで商品が売れている。中でも前後を高画質で撮影でき、あおられた際に警告音で知らせてくれる機能も付いた約4万円の商品が1番人気という。

  売り場を担当する佐久間祐二さんは、「お盆が終われば需要は落ち着くとみていたが、これだけハイペースで売れ続けるのは異例」と指摘。「品切れになる商品も出てきているので、導入を検討している人は早めに購入してほしい」と呼び掛ける。

  イエローグローブ苫小牧店(北星町)でも、360度撮影可能なタイプの商品に関する問い合わせが殺到中。三国豊店長は「売れ行きは昨年に比べると、2倍近い」と話す。

  比較的機能がシンプルで、リーズナブルなものを中心に扱うコメリパワー苫小牧東店(新開町)でも、売り上げは前年比約1・3倍。需要の高まりを受け、新たに前後を撮影できるタイプ2種類の取り扱い始めたところ、来店客の注目度は高いという。

  ドライブレコーダーを買いに訪れた市内の60代男性は、「最近のニュースを見ていると、いつ被害に遭ってもおかしくないと感じる。自分の身は自分で守らなくては」と熱心に品定めしていた。

  あおり運転は極端に車間距離を詰めたり、急に割り込んだりする行為。道路交通法の車間距離保持義務違反や進路禁止変更違反などが適用される。苫小牧署管内(1市4町)では、2018年3月に初めてあおり運転を摘発。道内2例目となる暴行罪を適用し、書類送検している。

  今年に入って、同署による摘発はないが、通報や相談は複数寄せられているという。

  同署交通第一課の梶貴晶課長は「あおり運転の被害に遭った際は口頭よりも映像の方が明確な証拠になる。ドライブレコーダーは自らの身を守り、さらに安全運転を心掛けるきっかけにもなる」と話している。

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