道内のIT企業などでつくる北海道IT推進協会は、「北海道ITレポート2024」を発表した。23年度の道内IT産業の売上高は前年度比4・4%増の5566億円で、過去最高となった。24年度も同3・3%増の5747億円と推計され、さらに最高を更新する見込みだ。
23年度の業績については、「増収」が全体の56・9%を占め、「減収」(30・4%)を26・5㌽を上回った。
増収企業のプラス要因(複数回答)は、「道内受注量の増加」が49・1%で最多。これに「受注単価の上昇」(43・8%)、「首都圏受注量の増加」(41・1%)が続いた。
一方、減収企業のマイナス要因(複数回答)は、「道内受注量の減少」が50・0%でトップ。以下、「人手不足」(48・3%)、「業務内容の縮小」(15・0%)の順となった。
23年度の総従業者数は前年度比1・3%増の2万3575人。全従業者に占める女性の割合は24・0%。外国人は2・2%だった。
採用状況では、新卒採用については「計画通り(またはそれ以上)に採用できた」と回答した企業は33・8%で、「計画通りに採用できなかった」企業(25・8%)を上回った。逆に中途採用については、「計画通りに採用できなかった」(29・8%)が、「計画通りに採用ができた」(21・7%)を上回った。
離職率については、31・1%の企業が「0%(離職者ゼロ)」と回答。一方、離職率2%以上の企業も52・6%と半数を超え、離職率は高い傾向が続いている。
不足している業務部門(複数回答)では、「SE(システムエンジニア)」が68・9%でトップ。これに「プロジェクトマネジャー」(45・9%)、「営業部門」(33・2%)が続いた。
経営課題(複数回答)については、「人材の確保・育成」が66・9%で最も多かった。
レポートは、道内に事業所があるIT企業890社を対象に昨年秋に実施した実態調査を基にまとめた。202社から有効回答を得て、有効回答率は22・7%だった