白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を運営するアイヌ民族文化財団は5日、旅行業大手のHIS(東京)と協力し、札幌市中央区の狸小路5丁目空き地に「ウポポイアイスパーク」を開設した。帯広市出身で日本氷彫刻会名誉師範の中村順一さんら7人による高さ4メートル、幅12メートルの大氷像に、シマフクロウや伝統的なアイヌ文様などを施しアイヌ文化の世界観を表現している。
4日に開幕した「さっぽろ雪まつり」に合わせ、氷の彫刻でアイヌ文化の多様な魅力を発信する。狸小路5丁目「サツゲキ」隣の空き地は、普段は交流や憩いの場として開放されており、同財団などによると市内中心部でも通行量の多いエリア。
会場には、伝統料理オハウ(温かい汁物)やチェプ(サケ)入りの中華まんなどを提供するフードスタンド、撮影スポットも設置。観光客らの要望に対応できるよう観光窓口も併設した。
同財団の広報担当者は「雪まつりや氷像という現代の文化行事を通してアイヌ文化を身近に感じてもらい、多面的な文化の理解促進に貢献したい」と意気込む。
さっぽろ雪まつり閉幕の11日まで、午後1時~同10時。入場無料だが飲食は別料金。
会場に設営された大氷像(提供)