安平町とむかわ町の人口の推移 住民基本台帳に基づく1月末時点の人口は、安平町が7202人、むかわ町が7198人で、安平町が4人上回った。同台帳や両町の集計によると、2006年3月の合併で現在の両町ができて以降、安平町が上回ったのは初めてとみられ、両町とも人口が減少傾向にある中、子育て支援や移住定住の促進、関係人口の創出などに引き続き力を入れていく。
両町によると、06年3月末時点の人口は、むかわ町が1万538人、安平町が9335人。少子高齢化や18年9月の胆振東部地震などを背景に両町とも年々減少し、20年1月にむかわ町7846人、安平町7746人で100人差、24年3月には7286人の同数となったが、その後むかわ町が多い状態が続いていた。
安平町は子育て支援や移住希望者へのアプローチに力を入れ、町への問い合わせ件数は21年度の114件から24年度は9月末時点ですでに217件と2倍近くに増えた。町の窓口を通じた移住者も21年度の7組15人から24年度は12月末時点で26組62人と約4倍に増えている。
22年から24年にかけての人口動態では社会増が続いており、町政策推進課は「地震からの復興と並行して行ったまちづくりの施策が効果に表れた」と受け止める。さらに千歳市の次世代半導体製造ラピダス(本社東京)の工場建設や関連企業の動向を注視し、外国人労働者や障害者の雇用などを進める方針だ。
むかわ町も、子育て支援を柱に据えた住宅施策の重視で、若い世代がアパートに入居するケースが多くなった。厚生労働省の統計によると、18年から22年の合計特殊出生率は1・51で、安平町(1・42)や苫小牧市(1・41)より高く、胆振管内でも高い水準となっている。
町総合政策課は「人口の自然減が続き、1月は外国人の転入出により大きく影響を受けた」と分析する。今後も穂別地区と鵡川地区で復興拠点施設の整備を進めるほか、タウンプロモーション戦略の推進で交流人口や関係人口を増やし、将来的な移住や定住につなげたい考えだ。