政府が2026年度中の設置を目指す「防災庁」について、政府の有識者会議は4日、国の事前防災や災害対応の「司令塔」としての役割を果たせるよう、専任の大臣を置き、各府省庁への「勧告権」を付与すべきだとする報告書をまとめ、赤沢亮正防災庁設置準備担当相に提出した。政府は26年の通常国会に関連法案を出す見通しだ。
報告書を受け取った赤沢担当相は「報告書を踏まえ今後、庁内の部局や地方拠点の具体的な絵姿の検討を進めていく」と語った。
防災庁設置は石破政権の看板政策の一つ。報告書では、内閣直下の組織とし、十分な人員体制と必要な予算を確保するよう求めた。勧告を受けた府省庁には尊重義務を課すとした。
また、地域の実情に応じた防災体制の支援強化の必要性にも言及。石破茂首相は防災庁の分局を地方に置くことに前向きな考えを示しており、今後誘致に向けた動きが本格化する可能性がある。
このほか人材面では、現在ある内閣府の防災部門は災害対応に追われ、事前防災の業務がたびたび中断するなど「パンク寸前だ」と指摘。職員を直接採用するのに加え、外部人材の積極的な登用を求めた。実践的な研修・訓練実施の必要性も訴えた。
政府は近くまとめる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」にも報告書を反映させる考えだ。