石破茂首相(自民党総裁)は12日昼、立憲民主党の野田佳彦代表ら与野党党首と国会内で会談する。「国難」と位置付けるトランプ米政権の関税措置に関して対米交渉の現状を説明し、協力を要請。野党を巻き込むことで内閣不信任決議案の提出見送りにつなげ、政権の安定を図る狙いだ。
会談は野党側の求めに応じ、首相が呼び掛けた。野田氏の他、公明党の斉藤鉄夫代表、日本維新の会の前原誠司共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表が出席。共産党とれいわ新選組も参加する。
与野党党首会談は4月4日以来。コメの値上がりを含む物価高や関税措置を受けた経済対策を巡っても協議する見通しだ。
首相はカナダで来週開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、トランプ大統領と会談。閣僚級の交渉を踏まえ、一定の成果を出したい考えだ。帰国後の19日にも改めて与野党党首会談を行う方向で調整している。
今国会の会期は22日まで。前原、玉木両氏は野田氏に対し、不信任案を出すよう促している。
首相は、提出されれば採決を待たずに衆院を解散する構えを見せてけん制する。衆院選の準備が遅れている立憲は執行部を中心に提出見送り論が拡大。野田氏は関税交渉のさなかに「政治空白」が生じる点に言及し、「適時適切に判断する」と述べるにとどめている。