社会人野球の白老町・WEEDしらおいが奮戦した。札幌円山球場であった第95回都市対抗野球大会道地区2次予選最終日の9日、WEEDは北海道ガスと対戦。三回に1点先取して七回に犠飛で追い付かれ、八回に1失点して勝ち越された。九回裏の攻撃で、先頭から執念の長短連打、続く四球で満塁に詰めたが、北ガスが繰り込んだ継投陣にその後の打者3人がかわされて1―2の惜敗だった。
優勝は4チーム総当たり戦で3連勝した北ガス。8年ぶりに2次へ進んだクラブチームのWEEDは、初戦で日本製鉄室蘭に1―16と大敗も、続くJR北海道硬式野球クラブには2―3と善戦した。
試合終了後、WEEDの社新吾(やしろ・しんご)監督と北ガスの渡部勝美コーチがねぎらい合う姿を見た。共に60代で大昭和製紙北海道の1989年本大会準優勝ナイン。エースだった渡部さんは92年バルセロナ五輪銅メダルの日本代表でも活躍した道産子左腕だ。聞くと渡部さんは「試合運びがうまかった」と難敵となったWEEDを評した。「この2次予選がどういう意味合いのものか、経験を積んだ社さんが若い選手に伝えていたんだと思うし、チームの状態を合わせてきた。さすがです」と賛辞を贈った。初夏、白老から札幌に旋風が吹き抜けた。(谷)