樽前山防災協、合同登山で火口視察

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  • 2023年6月1日

  樽前山(1041メートル)の周辺自治体や警察、消防、気象台などで構成する樽前山防災協議会(事務局苫小牧市)は5月31日、樽前山火口付近を視察する「合同登山」を行った。毎年春と秋の計2回続けてきたが、台風やコロナ禍などで4年ぶりの実施。道や苫小牧、千歳、恵庭の3市、白老、安平両町など計20機関から約60人が参加し、活火山の危険性を改めて確認した。

   札幌管区気象台地域火山監視・警報センターによると、樽前山の噴火警戒レベルは「1」(活火山であることに留意)。樽防協は、高温状態にある山頂の溶岩ドーム周辺で一般登山者のの立ち入りを制限している。

   同日はヘルメットを着用した参加者が火口原に入り、溶岩ドーム周辺を歩いた。亀裂から噴気が絶え間なく出ていたA火口前も視察し、室蘭地方気象台の宇内克成火山防災官は「ピーク時に600度を超え、今でも400度はある」と指摘。周囲の噴気孔群も巡り、「大半は水蒸気だが微量の硫化水素、二酸化硫黄も含まれており、長時間吸うと体調不良になることもある」と説明した。

   火山活動は今回の視察でも「静穏」と判断できたものの、宇内火山防災官は「活火山は基本、危険な場所だと認識してほしい」と訴えた。

   このほか、7合目ヒュッテから上の登山道、火口原内など4カ所で携帯電話の電波状況も調査し、登山道では大手携帯電話の電波が通じることも確認した。

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