むかわ地域商社「M Dino」(エムディノ、遠藤研二代表)が、1日付で「株式会社M Dino」に組織変更した。ほっかいどう地方創生投資事業有限責任組合(本社札幌市)を筆頭株主に町内外の企業など10者から「第三者割当増資」を受け、増資総額は1700万円(資本金900万円、資本準備金800万円)となる予定。胆振東部地震や新型コロナウイルス感染拡大により影響を受ける地域産業・経済の再生の一翼を担う。
地域商社は、穂別地区で発掘されたハドロサウルス科の植物食恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)などの地域資源を生かして産業振興を図ろうと、昨年4月に合同会社として設立。これまで縫いぐるみをはじめとする恐竜グッズの開発、販売や、漁業とタイアップしての食品販売などを展開してきた。
株式会社に組織変更することで一層の社会的信用を得るとともに、資本の増強で地域や恐竜、防災に関するビジネス展開が容易になる。
同日、町役場に併設する産業会館で記者会見を行い、遠藤社長は「合同会社である間に展開してきたが、恐竜グッズの販路はより広げていくことが重要。また全国の恐竜展に乗っかるのではなく、いろんな提案をしていき、むかわ町の知名度、商品の価値を高めていくようなことをしていきたい」と意気込みを語った。
昨年締結した5者連携協定により研究を進めてきた災害復旧用特殊ポンプの商品化に向け、事業を展開していくことなども含め、「人材を登用しながら、新しいことにも挑戦していけたら」と展望を語った。
同席した竹中喜之町長は「むかわ町のこれからの地方創生に向けて、間違いなく力強い推進力になる。皆さんの底力、頑張りを持ってビジネスチャンスを広げ、未来につなげてほしい」とあいさつ。出資企業の苫小牧信用金庫の小林一夫理事長は「地方、震災被災地から前向きな取り組みが発信されるのは、社会的な意義がある。地域金融機関として微力ながらお手伝いしていきたい」と語った。