課題解決へ意見交換 4地区で町政懇談会 安平

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  • 2021年11月11日

 安平町が主催する「町政懇談会」が、5~10日の日程で町内4地区で行われた。4日間で参加した町民は延べ65人となり、今後のまちづくりについて、及川秀一郎町長と活発な意見交換を繰り広げた。

 最終日となった早来地区では、産業廃棄物処理業者が町内で計画を進めている産業廃棄物最終処分場の建設をめぐる問題について言及。及川町長は建設地が胆振東部地震を受けて、道の「土砂災害警戒区域」に指定されていることを取り上げ、「(すでに許可を出している)道にもう一度、考え直していただきたいという要望をしていく」と説明した。

 このほか、JR早来駅に併設する町物産館の有効活用を求める意見があり、「駅はまちの入り口になる場所。観光協会と協力し、いろんなことができるように工夫を凝らしていきたい」と回答。公営住宅の住民からは、冬の除雪など高齢者支援について要望が上がり、課題として持ち帰った。

 町政懇談会は各地区に町長が出向き、行政課題や取り組みの現状などについて町民と直接、意見交換する場。5日の追分公民館を皮切りに安平、遠浅公民館、早来町民センターの計4カ所でやりとりをしてきた。

 最も参加者が多かった追分地区では、民間の追分菊池病院(追分本町、現追分クリニック)が入院病床を廃止するなど10月から規模を縮小している現状を踏まえ、地域医療の維持を求める声が上がった。これに対し、町は医師の高齢化、後継者不在に加え、ここ数年は厳しい経営を強いられている病院側の意向を尊重している旨を伝えながら、「病院が必要との認識は(町民と)同じ。地域医療体制を支える手だてを模索していく」と理解を求めた。

 安平、遠浅地区ではそれぞれの地区別計画を策定し、地域の課題解決、住民の要望にきめ細かく対応できる仕組みをつくる考えを示唆。2023年度に開校する小中一貫の義務教育学校開校に合わせて閉校となる2小学校の跡地利用についても検討する方向で住民の声を吸い上げていく。来年度はまず安平地区から着手し、遠浅地区はその後になる。

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