陸上競技少年団「厚真スローイングチーム」に所属する苫小牧東高校1年の久米漣斗さん(15)=安平町早来中出身=がこのほど、愛媛県総合運動公園陸上競技場で開催されたJOCジュニアオリンピックカップ・第52回U16(16歳以下)陸上競技大会に初出場し、男子円盤投げで堂々の2位入賞を果たした。
同種目には、各都道府県の予選で1位の成績を残した43人がエントリー。久米さんは9月に旭川市で開かれた北海道ジュニア陸上競技選手権大会で優勝し、出場権を手にしていた。
競技は大会初日の10月22日に行われ、4回の投てきの最高距離を競った。久米さんが「体がうまく動かなかった」と振り返る1投目は31・72メートルで不発だったが、気を取り直して挑んだ2投目は40・52メートルに伸び、3投目以降の権利が与えられるベスト8に進出した。その後、3投目で自己ベストの45・07メートルをマークし、2位まで順位を上げた。結果について「今年の記録としては満足している」が、1位を目標としていただけに「(逆転優勝には至らず)悔しい気持ちが大きい」というのが本音だ。
身長185センチで、回転投法の国内第一人者、大垣崇さん(37)=厚真町在住=に「これだけの身長があって技術はピカイチ。うらやましいです」と言わしめる逸材だ。ただ、本番になると緊張などで練習通りのパフォーマンスができず、全国総体(インターハイ)や国体の出場を逃してきた。
このため、特にこの1年は精神面の課題を克服しようと、自分の気持ちを練習日誌に書いて見詰め直してきた。「駄目なところや、やってきたことが分かるようになり、それが自信になったと思う」。8月に室蘭市で開かれた新人戦で結果が付いてきたことで徐々に手応えをつかんでいった。
コーチとしてそばで見てきた大垣さんは「努力家で練習も毎日通ってくるほど熱心。メンタルに課題があると思っていたが、自力で克服したようだ。初の全国大会で自己ベストを出すのは、ちゃんとしたメンタルがなければできない」と成長に目を細めた。
今季の主要な大会が終わり、現在は高校の部活動に所属する傍ら、籍を置く同チームにも通って筋力アップに励む。「来年まずはインターハイに行きたい。入賞することが目標です」と気持ちを新たにする久米さん。大垣コーチは「本人も今回でだいぶ自信が付いたよう。来年以降、行けるところまで行けたら」と期待をかけている。