ウテカンパ 孤立女性の支援に力 サロンや講座スタート LINEで悩み相談も 白老

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  • 2021年11月6日

 白老町のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)がさまざまな悩みを持ち、孤立する女性たちの支援活動を展開している。町社台のカフェを拠点に毎月、集いのサロンや講座を催したり、相談に応じたりして社会とのつながりの回復をサポートしている。経済的事情を抱える人に生理用品を無償で配布する活動にも乗り出し、田村代表は「困っている女性たちに寄り添い、支えたい」と言う。

 支援活動は、国の地域女性活躍推進交付金を活用した町の事業を受託して実施。女性サロン「ラポラポ」と名付けた取り組みを9月にスタートさせた。

 主な事業は交流のサロン開催や健康、子育て、アイヌ文様刺しゅうといった各種テーマの講座など。田村代表が社台で営むカフェ・ミナパチセを拠点とし、町内各所の公民館で毎月2回、移動サロンも開いている。DV(配偶者などからの暴力)や性差別、介護や育児の悩み、生活困窮などさまざまな困難に直面し、孤立する女性の居場所をつくる活動だ。

 野外活動も取り入れ、10月30日には町内のヨコスト海岸で「健康お散歩ごみ拾い」と題した行事を開催。ごみを拾い集めながら海岸を散歩し、心身にため込んだストレスや運動不足を解消する企画で、男性も含めて17人が参加して交流を深めた。

 スタッフは女性6人で、助産師や看護師など専門職もいる。社会とのつながりを取り戻してもらう活動のほか、インターネット交流サイト(SNS)や無料通信アプリLINE(ライン)で悩み相談にも応じている。内容によっては行政や福祉医療など専門機関につなぐ。田村代表は「いろんな問題で、この先どうしていいか分からず、孤独に陥っている女性は少なくない。そこに手を差し伸べたい」と話す。

 生活困窮で生理用品を確保できない「生理の貧困」問題に対応するため、必要とする女性に配布する活動も進めている。女子児童・生徒も対象とし、4日には田村代表やメンバーの川田幸香さん(37)が白老中学校(小林俊文校長)を訪れ、町内の小中学校に配ってもらう生理用品を届けた。生理用品は各校の保健室に置き、必要とする子供たちに渡してもらう。相談対応のLINEにつながるQRコード入りカードも各校の女子トイレなどに置いてもらうよう協力を求めた。

 田村さんは「ラポラポは全ての女性の応援団。女性が元気になれる地域社会を目指して支援を続けたい」と話し、活動に意欲を燃やしている。

 NPO法人ウテカンパは2019年に発足し、福祉や健康づくり関連の活動に取り組んでいる。

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