救助や炊き出し体験 厚真高で防災訓練 自衛隊を講師に

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  • 2021年10月29日

 厚真高校(清水美由紀校長)は28日、千歳市に駐屯する陸上自衛隊第7師団第7特科連隊を講師に迎えて体育館などで防災訓練を行った。生徒約60人が自衛隊の活動に理解を深めながら、自然災害に対する日々の備えについて学び、防災意識を高めた。

 体育館では2班に分かれ、「ファイヤーマンズキャリー」と呼ばれる骨折などで歩けない人を担いで搬送する技術を2人1組で体験した。普段他人を担いで持ち上げることはほぼないため、多くの生徒が悪戦苦闘していた。

 屋外の敷地には指揮通信車や救急車、野外炊具などを常備した炊事トレーラーなど自衛隊の専用車両をずらりと展示。生徒たちは目を丸くし、高さ2メートルほどある車両の運転席に乗ったり、車両の前で写真を撮ったりしていた。体育館にも油圧式カッターや背負い式消火ポンプ、チェーンソーといった資機材を用意し、生徒たちが興味津々の様子で手に取っていた。第7特科連隊第1特科大隊の米田泰司郎大隊長は「日本は地震など災害の多い国だが、体験したことを一つでも活用してもらえたら。自衛隊の仕事に興味がある人はぜひ声を掛けてほしい」と呼び掛けた。

 2年の荻原北斗さん(16)は「普段、身近で接することのない自衛隊の車両に乗ったことが印象に残った。被災地に派遣される活動をDVDで見て、体力が大事なんだと感じた」と振り返り、「この訓練で自衛隊の仕事に関心を持つことができた」と話した。

 このほか、胆振東部地震などでの災害救助を含め、自衛隊の任務や大規模災害に対する備えについて座学で確認した。昼食には炊き出しでカレーライスが振る舞われた。

 自衛隊札幌地方協力本部苫小牧出張所の小嶋久裕所長は「いつ、いかなる時に災害が来るか分からないため、平時からの意識付けが必要。この中から人の役に立ちたい、周りの人を守りたいと思う子が出てきてくれたら」と目を細めていた。

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