むかわ町穂別地区の小中高連絡協議会ステップアップ事業部講演会が27日、穂別中学校(三品秀行校長)で開かれた。講師を務めた前札幌屯田小学校校長で北海道開発技術センター地域政策研究所の新保元康参事が、「働き方改革」の本質とICT(情報通信技術)を活用した授業改善をテーマに講演し、教職員の負担軽減につなげることができるデジタル(コンピューターで扱えるデータ)の有効活用を訴えた。
小中高連携の推進、働き方改革とICTの効果的な活用について考えてもらおうと、同事業部が企画した。
新保氏は日本の学校教育について、「学習機会と学力を保証する役割のみならず、全人的な発達・成長や人と安全・安心につながることができる居場所としての福祉的な役割を担ってきた。今後もこの重要性は変わらない」と説いた。「限界まで働く時代になり、これから大変なことになっていく」と危惧する。
これらの問題を踏まえて提案するICTの活用では、「最初は慣れるまで時間がかかるが、簡単にちょっと使えるようにするだけで働き方改革につながる。難しいことやかっこいいことをする必要はない」とアドバイス。「人の多い都市部よりも地方の小さな学校や町の方が情報を共有しやすく、成功するのでは」と語る。
また、児童生徒にとっても「アナログでは見られないものを、クラウド(インターネット上に置かれたデータ保管システム)で共有することで、参考にできたり分かったりすることがある。勉強の苦手な子には大きな助けになる」と説明。児童生徒1人につき1台与えられているタブレット端末は「その場で調べものや確認のために使うことができる文房具になる」と見解を述べた。
同日は、講演会のほか、同校の公開授業も行われた。