大規模地震と津波を想定したむかわ町の防災訓練が16日、同町鵡川地区で行われた。町民ら約70人が参加し、津波の浸水区域外まで歩くなどして避難経路を確認した。
訓練は午前10時半ごろ、十勝沖を震源とするマグニチュード8・0の大規模地震が発生し、道内と東北地方に大津波警報が発表されたことを想定した。
町民らは自宅などで身の安全を守る一斉訓練「シェイクアウト」を行った後、避難を呼び掛ける町内放送に従い、日高自動車道以北に地域ごとに設けられたチェックポイントを目指して移動。町から事前に配布されたGPS(全地球測位システム)を持ち、避難経路や移動時間などのデータ測定も併せて行った。
同町福住から参加した町内会長の松並之雄さん(75)は「普段は歩かない道のりを歩いて、避難経路を覚えることは必要だと思う」と話した。
訓練に併せ、鵡川地区防災倉庫が見学用に開放され、同町、厚真町、安平町と災害連携協定を締結している日産自動車が、電気自動車の蓄電池で家電製品を動かすデモンストレーションを行った。
同町の担当者は「胆振東部地震以降、町民の防災意識は高くなっている。実践的な訓練を行っていきたい」としている。