安平町追分の道の駅「あびらD51(デゴイチ)ステーション」のレガシーギャラリーで展示している木製のミニ蒸気機関車(SL)「D51」が16日を最後に登別市内のホテルに移設されることになった。同日正午には撤収作業が始まり、町民や鉄道ファンに惜しまれながら、道の駅をたつ。
木製のミニSLは、登別市の木工作家、江口貞廣さんが「D51―498号機」を参考に7分の1サイズで再現した。機関車と後部の石炭車の2両編成で長さは約3メートル、重さ約50キロあり、マツ材を接着剤で組み合わせている。
道の駅では、2019年4月の開業当初に設置予定だった目玉展示の「D51―320号機」の移設が2カ月ほど遅れた。前年の胆振東部地震の影響によるもので、これを聞き付けた江口さんから「本物が入ってくるまで飾りませんか」と話があり、代わりに展示することを決めた。
開業直後は頼れる「助っ人」の役割を全うし、復興の一助として活躍。320号機の到着後も子どもを中心に多くの来館者が木のぬくもりに触れるなど親しまれてきた。しかし、登別万世閣から展示のオファーがあり、道の駅での役割を終えることになった。
今後は登別万世閣内に設置される予定。道の駅を運営するあびら観光協会は「江口さんの『(ミニSLに)触ってもらいたい』というご厚意により、手に触れたり、動かしたりと非常にみんなに愛されていた」と話し、感謝するとともに今後の活躍を期待した。