むかわ町は、JR鵡川駅近くにあるム・ペツ館(末広)を活用して公営塾を開設した。当面の利用者は鵡川高校の生徒に限定しているが、町教育委員会では地元の高校生が利用できる無償の学習塾として機能させる考え。生徒の学力向上や保護者の経済的負担などが期待される。
町内には民間の学習塾がなく、高校生は苫小牧市など近隣の塾まで足を運んでいる。こうした現状を踏まえ、町はム・ペツ館の一部を改修し、放課後の自習など日常的に学習ができる環境整備を春先から進めてきた。最大で15人が一度に利用できる部屋と10人ほどを収容する部屋を用意。この秋に生徒を指導するスタッフとして地域おこし協力隊2人を採用し、今月4日に開設した。
現在は、プレオープンの位置付けで鵡川高校の生徒が受験(推薦を含む)対策で利用している。各生徒に個別対応しており、同校3年の芦田脩吏さん(17)は「とても便利なので、つくってくれて感謝。これから時間がある時に通いたい」と言い、「小論文や志望理由の書き方などを教えてもらいながらやっていきたい」と意欲を見せる。
塾長を務める村木正裕さん(42)は「一人ひとりに目が行き届くような補助を心掛けていく。当面は入試で力を出し切れるようにサポートしたい」とし、「都市と地方で情報格差が生まれないよう、生徒の自主性を重んじながら運営したい」と展望を語る。
本格的なオープンは11月になる見通しで、鵡川、穂別両高校のほか、町外の高校に通う町内在住の生徒を受け入れる方向。また公営塾の名称も生徒に募集して決める考えだ。スタッフの橋爪涼さん(22)は「生徒の要望を取り入れて運営できるのが魅力。学校の先生やお父さん、お母さんに話すことができないことを聞いてあげられるお姉さん的な存在になれたら」と話している。
公営塾は、平日の午後1時30分~同8時30分の時間帯で開講。町教委では本格オープンに合わせて利用希望者を募る。問い合わせは公営塾 電話0145(42)2550。