白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)の木彫講座が4日、川沿生活館(町川沿)を会場に始まった。町民ら10人が受講し、町内の彫刻師を講師に計5回の講座を通じて木彫りの技を学ぶ。
アイヌ文化伝承の人材を育成する講座で、アイヌ施策推進交付金を活用した町の委託事業。吉田民芸代表の吉田信男さん(73)=高砂町=が講師となり、11月8日にかけた教室で伝統工芸の技術を伝える。
講座で作るのはミニフクロウ、アイヌ文様を彫ったペーパーナイフと糸巻き、チシポ(針入れ)。初回の教室で受講者は、吉田さんの指導を受けながら、材料の木をのみで削り、制作に取り掛かった。
1年半前に登別市から白老町へ移り住んだという濱憲司さん(72)=高砂町=は「アイヌ文化のまちに暮らす身として伝統への理解を深めたいと思い、受講することにした」と話し、熱心に木彫りに取り組んだ。