安平町の遠浅小学校(吉成透校長)の5、6年生が1日、馬を生かした観光振興策について、町に提言した。馬産地をPRできる教育、宣伝活動のアイデアを町議場で発表し、まちづくりへの意識を高めた。
同校の総合学習の一環。5、6年生15人は8月中旬から、町内で開講する公営塾「あびらぼ」のスタッフから講義を受けたほか、ノーザンホースパークやノーザンファームなどを見学して知識を得、馬を生かした今後のまちづくりについて考えてきた。
この日は4グループに分かれてプレゼンテーション。共通課題として「馬産地でありながら、馬と触れ合う機会が少ない」ことを指摘した上で、発表を進めた。
最初のグループは、学校での馬に関する授業の実施、馬術などの部活動の創設や、空き教室を利用した馬の知識が得られる展示を要望。「馬の魅力を語ることができる子どもが増える」「安平町に住み続けたいと思う人が増えるのでは」とアピールした。
別のグループは、引退馬や乗用ポニーを買い取り、町内で2023年度に開校する義務教育学校で飼育することを働き掛けた。6年生の日田さくらさん(12)は「(発表した時は)緊張してがちがちだったけれど、伝えようと思ったことは伝えられた」と表情を緩め、「飼った方が積極的に触れ合えるし、興味を持てるのでは。(新しい学校に)馬がいることで、安平町だと分かる場所になれば」と期待した。
町外向けの観光戦略として、有名人に依頼しての宣伝活動、馬が登場するゲームの企画などを提案。馬をモチーフにしたオリジナルグッズや食品開発も取り上げ、近隣から安平町に来る人が増えることで経済効果やSNS(インターネット交流サイト)による宣伝効果に波及するまでの流れを伝えた。
及川秀一郎町長は終始耳を傾け、「今後策定する総合計画の検討材料にし、実現できるものはすぐにでも取り入れていきたい」と講評していた。