白老町虎杖浜の海岸通りで開かれている「歩いて巡る屋外写真展・虎杖浜/アヨロ」の会場に9月30日、展示作品撮影者の故山崎壽昭さんの長女と長男が訪れ、カメラを愛した父親の姿を思い返しながら鑑賞した。
屋外写真展(ウイマム文化芸術プロジェクト実行委員会と文化庁主催)は、昭和30~40年代の虎杖浜を捉えた巨大写真を海岸通りの建物壁面に飾り、漁師まちとして栄えた当時の風景をよみがえらせるイベント。王子製紙苫小牧工場カメラ会に所属していた山崎さんが虎杖浜へ足しげく通い、水産業に関わった地域の人々の営みを記録した作品約20点を展示している。
8月27日にスタートして以降、鑑賞に訪れる人が絶えず、9月30日には山崎さんの長女木村満寿子さん(65)=秋田県能代市在住=と長男山崎範寿さん(62)=札幌市在住=が来場。父親が撮影した作品を感慨深げに見て回った。
苫小牧市で生まれ育った満寿子さんと範寿さんは鑑賞しながら、カメラ好きだった父の姿を懐かしんだ。満寿子さんは「王子製紙の社宅にあった石炭倉庫を暗室代わりにフィルムを現像していた光景が目に浮かびます。久しぶりに父に会ったような気がしますね」と話した。範寿さんは「休日になれば写真撮影に出掛けていた父の姿を思い出します」と言い、展示作品に目を細めた。
写真展は11日まで。虎杖浜の観音寺にも、山崎氏が残した写真のプリント約60点を並べている。