出来秋を祝う 東和地区の畑嶋さん田んぼ 献穀米の「抜穂祭」  厚真

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2021年9月24日

 宮中行事の新嘗祭(にいなめさい)に上納する献穀米の「抜穂(ぬいぼ)祭」が22日、厚真町東和地区にある畑嶋賢蔵さん(61)の田んぼで行われた。農業関係者や来賓など約60人が出席。黄金色に染まった田んぼで鎌を振るって稲を刈り、出来秋を祝った。

 新嘗祭は、皇居で開催される宮中の祭典で最重要儀式に位置付けられる。毎年全国各地の精農家が栽培した新穀を献納しており、厚真町からの献穀は2010年以来、11年ぶり6度目となった。5月下旬に畑嶋さんの田んぼで御田植祭を行い、103アールに「ゆめぴりか」を手植えした。

 7月の記録的猛暑などもあったが、稲は順調に育ち、実りの秋を迎えた。とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)の宮田広幸組合長は「大変な管理だったと思うが、良質米生産の技術をいかんなく発揮し、当地区を代表するお米を実らせていただいたことに敬意と感謝を申し上げる」とねぎらい、宮坂尚市朗町長は「丹精込めたお米が出来上がった。しっかり宮中に納め、素晴らしい1年だったと思えるような秋にしてもらえたら」と期待を寄せた。

 畑嶋さんは「収量的には平年よりいいと思う。プレッシャーもあったが、何とか収穫までこぎ着けることができた」と笑顔を見せる。10月に皇室に精米5合の献上を予定しており、「最後まで気を抜かず、頑張りたい」と気を引き締めていた。

 

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