白老町の萩野小学校(田村雅嘉校長)は、今年で開校100周年を迎えた。大正時代に開設されて以降、1世紀にわたる激動の時代を地域と共に歩み、住民に支えられながら教育活動を展開してきた。11月には歴史を振り返り、節目を祝う記念式典を同校体育館で開催する。
萩野小は、1921年に敷生尋常小学校知床特別教授場として開校。28年に敷生尋常小から独立して知床尋常小に。日本が太平洋戦争へ突き進んだ41年には、軍国主義教育を行う萩野国民学校となった。敗戦後の47年、学制改革で校名を現在の萩野小に変更した。
児童数は地域の発展に伴って増え続け、80年には25学級987人の大規模校となった。だが、少子化や人口減少によって児童数も徐々に減り、現在は130人が学んでいる。
戦争や高度経済成長、長期の景気低迷などさまざまな時代をくぐり抜けながら教育活動を展開し、多くの卒業生を輩出してきた同校の節目を祝うため、昨年10月にPTAや教職員、地域住民らが100周年記念事業協賛会(小嶋孝之会長)を設立。校地に記念看板を設置したほか、6月には全校児童がグラウンドに描いた「100年」の人文字をドローンで記念撮影する事業などに取り組んできた。
また、同校の足跡を振り返る記念誌(A4判、約150ページ)を製作する予定で、「萩野小の歴史」「歴代校長とPTA会長の紹介」「卒業生の寄稿」「卒業生名簿」などで構成。約300部を印刷し、児童に配布するほか、地域住民ら希望者に有料で提供する。
11月13日に開く記念式典は、新型コロナウイルス対策で参加人数を絞り、児童は6年生のみに限定。100年の歴史を伝える動画の上映、学校運営に貢献した団体や企業への感謝状贈呈などを予定している。
式典や記念誌発行の準備に当たる同校は、「学校の発展に寄与された先人の努力をしのび、通学児童の見守り活動など長年にわたる地域住民の支えにも感謝し、教育活動に一層努めたい」としている。
同校では今年度から校舎の大規模改修が行われており、来年度に完了する。