新型コロナの影響は? 事業者アンケート 8割が売り上げ減少 経営の先行き不安広がる  白老

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  • 2021年9月11日

 白老町は、新型コロナウイルス感染拡大による地元事業者への影響を探るアンケートの結果をまとめた。8月下旬から9月初旬にかけて実施した最新の調査で、回答した事業者の8割が売り上げ減少など影響を受けたと回答。さらに6割以上が今後も減少すると見通し、経営の先行き不安が広がっている実態を示した。

 町はコロナ下での地元事業者の経営状況を探り、支援策を検討するため、昨年6月から3カ月置きにアンケートを行っている。6度目となった今回は、町商工会と白老観光協会の会員計544事業者を対象に、8月25日~9月3日に実施。小売業や飲食業、宿泊業、製造業など75事業者から回答を得た。回答率は13・78%。

 経営状況に関する質問では、72%が「悪化している」「やや悪化している」と回答し、「好転した」「やや好転した」としたのは2・67%にとどまった。いずれも6月の前回調査とほぼ変わらない数値となり、飲食業や宿泊業を中心に厳しい経営が続いている状況を物語った。

 また、回答者の80%が新型コロナ感染拡大の影響を受けたとし、具体的には「製品・サービス受注や売上高の減少」が42・35%、「消費マインド悪化に伴う客数減少」が37・67%に上った。売上高に関しては、回答者の64・86%が「落ち込んだ」とし、コロナ流行前と比較して8割以上ダウンした事業者もいた。

 資金繰りに関しては、50%が「厳しい」と回答。今後の売上高の見通しについては、65・33%が「減少」を予測。前回調査より2・12ポイント上昇し、経営の先行き不透明感が増している状況を浮き彫りにした。

 さらに、昨年7月の民族共生象徴空間(ウポポイ)開業に伴う経済効果に関する質問で、「効果を実感している」と回答したのは28%。「実感していない」としたのは69・33%と多くを占めた。開業後の売上高の変化については、「変化なし」が64%、「増えた」が9・33%。新型コロナ感染流行による観光需要の落ち込みなどを背景に、ウポポイ開業の経済効果が地元に波及していない実態を示した。

 町は、9日の町議会定例会本会議でアンケート結果を公表。経営支援を求める広地紀彰氏(いぶき)の一般質問に、町の担当者は「昨年から度重なる緊急事態宣言などの影響で、酒類提供の飲食店も大きな打撃を受けている。緊急事態宣言が延長され、先行きが見通せない事業者も多い中、適切な対策を考えたい」と述べた。

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