むかわ町の穂別高校(小野達彦校長)は、胆振東部地震から3年を迎えた6日、大きな被害をもたらした地震を、科学的に捉え直して振り返る授業を行った。
3年生で学習する「地学基礎」の授業の一環で行い、「地震」の小単元が終わったところで胆振東部地震に焦点を当てた内容を取り上げた。教科書にある「プレート内地震」や「逆断層」の意味を映像などを用いて理解し、社会的な影響も含めて地震を振り返る構成。生徒たちは改めてこの地震がまれに見る自然現象であったこと、さまざまな影響を及ぼしたことを実感した。
授業後、この地震で被災し、卒業後消防士を目指す穂別地区出身の真壁吹輝さんは「地震の被害ばかり見ても仕方がない。前向きな意識を持つべきだと考えた。あの地震を穂別で体験したからこそ、消防士になりたいという意思が固まった」と語った。地震発生時は苫小牧市在住で、現在はむかわ町で寮生活を送る小塚空さんは「自分は工業地帯の被害ばかり気にしていたが、真壁君のリポートを読んで地震が農業や畜産にも影響することを知った。地域によって地震の被害は異なると感じた」と振り返った。
授業を担当した3年担任の武田幸大教諭は、「それぞれの視点からあの地震を振り返り、学んだことを共有して深い学びに到達できたのではないか」と語った。