厚真町の厚南中学校(石田憲一校長)は9日、大地震を想定した全校避難訓練に合わせて、3年生が修学旅行で岩手県陸前高田市の東日本大震災津波伝承館を訪れて学んだ教訓を伝える集会を開いた。現地で聞いた被災者の声や2018年9月の胆振東部地震の経験を踏まえ、「同じことが起きた時は一人ひとりが支え合ってほしい」と呼び掛けた。
3年生を代表して岩間夕七さん(15)が発表した。岩間さんは、津波伝承館の展示資料をスライドで紹介しながら、被災当時の状況などを説明。被災者の生の声から「津波が来ないと思い、逃げ遅れた人がいたと聞いた。ちゃんと避難をしていたら助かる命があったことが分かった」と語った。
また、「(自身も)胆振東部地震でつらい体験や悲しい体験をしたが、前を向いていかなければいけない」と言い、「自然の力は私たちの予想をはるかに超えるものだが、何かあった時には自分で考え、正しい行動を取れるかが大切」と伝えた。
石田校長は「不安になったり、泣いたり、おびえている人を見た時に、お互いの顔を見て声を掛け合えるようになってほしい」と期待。岩間さんは「家で防災を徹底するのはもちろんだが、町の人が一体となって困っている人を助け合う雰囲気づくりをしていきたい。私たちが支えてあげられるようになっていけたら」と決意を語った。
避難訓練では、校内で大規模な地震が発生したことを想定し、身の安全を確認しながら、体育館へ避難するまでの流れをシミュレーションした。