厚真町でもデータ改ざん コールセンター業務委託先 対応件数 1360件を1738件に 新型コロナワクチン接種

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2021年9月10日

 厚真町が新型コロナウイルスワクチン接種のコールセンター業務を委託していた日本郵政グループの「JPツーウェイコンタクト」(本社大阪市)が、町民からの相談件数を応答率が高くなるように改ざんしていたことが分かった。町が9日に開かれた町議会全員協議会で明かした。

 町によると、町内では4月26日~6月28日、同社札幌コンタクトセンターが問い合わせに対応する業務を担当した。その際、管理責任者の指示で同責任者と部下3人が数値を改ざんし、本来1360件の対応件数を1738件と報告していた。電話で受け付けをした町民が、接種できないなどの影響はなかったという。

 町や同社のリリースによると、札幌コンタクトセンターは道内36自治体の新型コロナワクチン接種のコールセンター業務を請け負い、同期間には約39万5000件の電話があった。このうち約2割に当たる約8万2600件に対応し、「報告できる数値ではない」と判断。架空の詳細を作成し、道内36自治体に対し、約19万5000件の電話があり、約7割強に当たる約13万9400件に対応したと報告していた。

 不適切な業務運営が行われた背景として、同社は「当初想定していた件数よりも多くの入電があったが、応答率が極めて低い結果となったため、本件の管理責任者が考え、不正行為に及んだ」と説明。8月30日に札幌市内で記者会見を行った後、今月2日に会社役員が厚真町を訪れ、担当課が説明と謝罪を受けたという。

 議員は「電話がつながらず、町民が不安な思いをしている中、委託者は責任を軽く見ているのでは。全く誠意が見えてこない」と同社の対応に怒りを隠さず、町の対応を問いただした。宮坂尚市朗町長は「今回の件は誠に遺憾。JPグループという看板を信頼していたが、今後、業者を選定する際は会社の実績や体制が十分なのか、しっかり協議していかなければいけない」とし、同社に対して「誠意ある対応を要請していく」と話した。

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