胆振東部地震から3年となった6日、被災地にある厚真町の上厚真小学校(圓山芳史校長)では全校児童を対象に防災学習を、むかわ町の鵡川中学校(広田智人校長)では全校生徒に防災オンライン講話を行った。子どもたちは学習を通じ、大きな災害を生む自然の力と防災の大切さを再認識した。
上厚真小は地震を想定した避難訓練を全校児童で行い、さらに各学年で防災学習をした。学年ごとにテーマを設定し、被災現場を見学したり避難所運営について学んだりし、復興や日ごろの備え、防災に対する実践意欲などを養った。
5年生20人は、大規模な山腹崩壊が起きた幌内地区にある日高幌内川周辺の岩盤崩れの現場を訪れた。児童たちは町教育委員会や北海道開発局の担当者の説明を受けながら、崩落した山の斜面を30分ほどかけて登り、なぎ倒された木や山肌がむき出しになっている土砂崩れの様子などを確認。生々しい震災の爪痕を目の当たりにした館山太雪君(10)は「山が丸ごと削られていてすごいと思った」と改めて自然災害の恐ろしさを感じていた。
6年生は、町教委生涯学習課の宮下桂参事から避難所運営について学んだ。3年前の震災で実際に避難所を運営した宮下参事は「基本は安心・安全な衣食住の提供と正確な情報」と説明。安心のために必要なものとして、正確な情報の発信やプライバシー空間の確保、名簿の管理などを挙げ、高齢者や子どもへの配慮、衛生管理にも言及した。
6年生は今後も防災学習を継続し、避難所が開設された場合に「自分たちに何ができるか」を考えていく。宮下参事は「災害が起きても、少しでも安全安心な生活を続けられるよう、普段からいろいろな想定をし、できる備えをしてほしい」と呼び掛けた。
三浦一久君(12)は「常に人の気持ちを考えて避難所を運営していたことが分かった。他の人がどういう気持ちで、どうしたら安心して過ごせるのか、考えていきたい」と話していた。