一般社団法人白老モシリは21日、白老町若草町の小川でガマを採取するアイヌ文化体験の行事を催した。参加者は、ござ編みの材料を確保する作業に取り組みながら、アイヌ民族の昔の営みに思いをはせた。
同団体がイオル(伝統的空間)体験交流事業として企画し、町民ら9人が参加した。
同団体はイオル再生事業の一環としてかつて、民族共生象徴空間(ウポポイ)近くに流れる小川にガマを移植。アイヌ民族が儀礼や日々の暮らしに利用したござの復元や、制作体験の材料として使っている。
参加者は同団体メンバーの指導を受けながら、水辺に育つガマを鎌で採取。同じくござの材料になるカヤツリグサ科のフトイも刈り取り、同団体の活動拠点しらおいイオル事務所チキサニへ運んだ。
参加した同町石山の大久保由里子さん(48)は「昔のアイヌ民族はこれほどの手間をかけて、ござを作っていたことがよく理解できた。貴重な体験でした」と話した。
同団体は、採取したガマやフトイを乾燥させ、11月に催すござ編み体験の際に使う。