復旧工事で施工不良 ルーラルビレッジ大規模盛り土造成地 規格外の 石が混入 早急に補修工事を 厚真

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2021年8月24日

 2018年9月の胆振東部地震で、地割れや地盤沈下などが発生した厚真町豊沢地区の移住者向け住宅地「ルーラルビレッジ」の大規模盛り土造成滑動崩落防止工事において、基礎材となる石に規格サイズを逸脱する石が混じっている施工不良があったことが明らかになった。23日に開かれた町議会の全員協議会で、町が説明した。

 町によると、岩倉建設苫小牧本店が昨年7月~今年3月中旬に抑止杭工、抑え盛り土工などの造成工事を行った。事業費は6億9000万円。

 施工不良が見つかったのは5カ所。籠状の金網の内部に石を詰めて工事に使用する工法「ふとんかご」で、中詰めする玉石に承認サイズ(15~30センチ)を逸脱した石が混入していた。小さな石は籠をくぐり抜ける可能性があり、補強材にはさびが発生していた。さらに、地滑りの恐れのある場所の下部へ盛り土し、地滑り抵抗力を付ける工法「抑え盛り土」で使った栗石に規格(6~15センチ)外の石が多く混ざっていた。細粒が多い部分は透水性の悪化を招くことが懸念される。

 いずれの場所も6月下旬、住民による組織「ルーラル・フォーラム復興委員会」が指摘していた。

 不良箇所については、目視による確認の範囲で工事を進めた結果によるものとして施工業者がミスを認めており、業者が自費で補修する方向で調整。町は他に修補箇所がないか今月中に確認した上で、改めて住民説明会を予定している。

 議員からは町の監督体制の甘さを指摘する声が出され、宮坂尚市朗町長は「ルーラル地区の皆さんにおわびを申し上げたい」と謝罪。「工事をやり直すに当たり、スピーディーに進め、町として住民に不安を与えることのないよう監督していく」と決意を述べた。

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