旭川大学の学生が20日まで、「現代農村における集落の維持と地域社会関係」をテーマに厚真町豊丘地区を調査している。保健福祉学部コミュニティ福祉学科の2年生30人で、オンラインを活用して同地区内の住民らにインタビュー。地域集落の魅力や強み、課題などを探っていく。
同学科の授業「コミュニティ調査実習」の一環で、17日に始めた。同学科は2018、19年度に厚真町内で合宿して調査をし、新型コロナウイルス感染の影響を受けた昨年度もオンラインで住民の講義を受けた。
今年度の調査では、感染症の拡大を考慮し、学生の自宅と豊丘マナビィハウス内をオンラインでつなぎ、住民に足を運んでもらって話をする方法を採った。学生2人と指導教員1人で一つの班になり、それぞれ聞き取りをしている。
18日に調査を受けた農家の木沢裕司さん(77)は、「同じ場所に行く時は、1台の車に乗り合わせて行ったりする。以前は作業が遅れている農家を隣近所で手伝うなどして助け合っていた」と地域ならではの作業方法を紹介。胆振東部地震が発生した際は、自治会で独自に炊き出しをし、住民たちで支え合ってきたことを伝えた。この中で「今は車を使えるので不便を感じないが、(年を重ねて)運転できなくなった時のことをこれから考えなければいけないな」と課題も話した。
地域の公共交通を中心に聞き取りをした松原千笑さん(20)は「運転免許がない方や徒歩の方への交通の便をより改善していかなければ」と感じた様子。多田隼脩さん(21)は「若者に定住してもらえるようなサポートを考えていく必要がある」と語り、今後の検討材料とした。
学生たちは、今回の調査結果を基にさらに深掘りして研究。まとめた内容を来年1月、町内で予定している報告会で発表する。