厚真町で犬猫のトリミングやペットホテルを営む「Animal total care HAYA」が、町内朝日に移転オープンした。2018年9月の胆振東部地震発災直後に被災者が飼っている犬や猫を無償で預かった経験などから収容スペースを拡張したほか、今後はドッグランも設ける予定。15日には、新店舗のお披露目を兼ねた防災啓発イベントも予定している。
「HAYA」は、早川律子さん(50)が経営し、これまで町内錦町で営業。胆振東部地震では自らも被災しながら、町民から依頼があった犬猫を無償で受け入れた。しかし計7匹の収容力に対し、ピーク時には37匹のペットを預かり過密状態に。普段は外で飼っている犬も室内に入れざるを得ないなど、ペットにもストレスがかかっていたという。
これらの経験を踏まえ、新店舗は犬13匹分、猫4匹分のケージを用意し、災害時には室内で50匹まで預かることができるスペースを確保。隣接する約1300平方メートルの屋外の敷地はドッグランの活用も想定し、整備していく考えだ。
災害時、避難所へはペットも連れていくのが原則だが、胆振東部地震では周囲に与える迷惑やストレスを懸念して車中泊をした人や、自宅にペットを残して避難した人もいたという。また、一部でペットの屋内受け入れを可能にしていたが、情報が共有されていない部分もあったという。
防災啓発イベントは、午前11時から午後3時。参加者に避難所機能について紹介するほか、防災手帳を配布。犬猫保護団体ボランティアによるチャリティーバザーも企画しており、ペット同行避難について考えてもらう機会にする。早川さんは「何かあった時に頼ってもらえる場所にしたい。同じような地震があった時に今回の教訓や、どう対応したらいいのかを伝えられるのでは」と話す。