白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は9日、「2021陣屋の日」と題したイベントを資料館前広場などで開く。アイヌ古式舞踊の披露や昔の遊び体験といったさまざまなプログラムを楽しんでもらう。
仙台藩士墓地供養祭と陣屋ゆかりの塩釜神社例大祭にちなんだイベントで、陣屋跡積極活用プロジェクトとして企画した。
会場では、白老民族芸能保存会がアイヌ古式舞踊(国指定無形民俗文化財)、虎杖浜越後踊り保存会が伝統芸能・虎杖浜越後踊り(町指定民俗文化財)を披露。それぞれの踊りを来場者に体験してもらう時間も設ける。アイヌ民族の口琴ムックリ体験(定員10人、事前の申し込みが必要)も行う。
子供たちが楽しめるプログラムとして、お手玉やこま、拳玉など昔の遊び体験、せんべい焼き体験を用意。この他、岳風会白老支部による詩吟教室、陣屋クイズラリーなどを行う。飲み物や「赤松せんべい」の販売コーナーも設ける。
開催時間は午前10時半から正午。参加費は100円(小学生以上)。武永真館長は「町の宝の白老元陣屋跡で、郷土の夏のひとときを楽しんでもらえれば」と言う。イベントの問い合わせ、ムックリ体験の申し込みは同資料館 電話0144(85)2666。
白老元陣屋は、幕府の命令で仙台藩が1856(安政3)年に構築した北方警備の拠点。戊辰戦争が起きる68(慶応4)年までの12年間、仙台藩士らが蝦夷地防衛に携わり、地元アイヌ民族との交流も深めた。幕末の歴史を伝える跡地は1966年、「白老仙台藩陣屋跡」として国の史跡となり、保存されている。