厚真町は、旭川市出身の三木奈津美さん(36)、広島県安芸太田町出身の佐々木拓哉さん(28)の2人を企業研修型地域おこし協力隊として任命した。3日に宮坂尚市朗町長が委嘱状を手渡した。
三木さんは、札幌市内のデザイン関係の専門学校を卒業後、トレーニングジムや民間企業に勤務。2014年から個人事業主として、同市でグラフィックデザインやイラストなどを手掛けるほか、ウェブライターとして活躍していた。
応募は、「森林や馬、第1次産業について学びながら、新たな事業を立ち上げる準備を時間をかけてしたい」と考えていたことがきっかけになった。デザインやブランディングのスキルを生かせる受け入れ事業所が町内にあると知り、希望を実現させるため、地域おこし協力隊制度を利用したという。
厚真町について、「生活に不便は感じていない。これからいろいろな人や物が集まってくるまちではないか。もともと生活している人、集まってくる人が融合して新たな何かが生まれる、北海道で今一番熱いまちだと思う」と好感を寄せている様子。「将来的に森林の会社を立ち上げたい。森と関われる空間で学びながら、じっくり考えたい」と話す。
一方の佐々木さんは、広島県の高校、鳥取県の大学を経て林業の会社に就職。森林資源を活用して人の定住、交流促進につながる仕事について考えていた時に同制度を知り、厚真町内に拠点を持つ受け入れ事業所に応募した。
今回が初の来道となるが、「徒歩で生活できるコンパクトなまち。(新千歳)空港からも近い」と地域の印象を語る佐々木さん。町内にある森の学校で働きながら、「北海道ならではの木材の供給や人との関係について考えを深めながら、地域を盛り上げていきたい。厚真町の森林が地域の大切な場所になることで、住民の方々の誇りを高めていきたい」と抱負を語った。