「八王子千人同心移住隊士市川彦太夫墓石」「天保の石灯籠」 町文化財に指定 いずれも江戸時代のもの  むかわ

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2021年8月4日

 むかわ町教育委員会は、町内花園の永安寺にある「八王子千人同心移住隊士市川彦太夫墓石」と、鵡川中央小学校の校門近くの庭木から見つかった「天保の石灯籠」を7月30日付で町文化財に指定した。

 いずれも江戸時代のものとされ、町文化財審議会への諮問に対し、「町にとって貴重な文化財で保存・保護の必要があり、町指定文化財に指定することが適当と認める」と答申を受け、7月29日の定例教育委員会の可決を経て決定した。これで町指定文化財は計13件となった。

 町教委によると、市川彦太夫は19世紀初頭に開拓と北方警備のため北海道へやって来た八王子千人同心隊の移住隊士の一人で、1806年に鵡川で死去した。墓石はざらざらした岩肌むき出しの自然の形をそのまま生かした砂岩石を用いており、高さ57センチ、幅35センチほど。鵡川地方で活躍した八王子千人同心の移住開拓の歴史を伝えており、永安寺で保管している。

 天保の石灯籠は、花こう岩を加工したもので高さ約80センチ、幅最大約50センチ。江戸時代のものとされており、笠とさお、基礎の部品のみで2基現存している。重さがあり、崩れやすい状態のため、町教委で取り扱い、郷土資料保管庫で保管しているという。

 町教委の田代雄介学芸員は「いずれも有形文化財、歴史資料として位置付けられる」とし、「これからも大事に保管していきたい。石灯籠は事前に連絡を頂ければ見せることができる」と話している。

 町内には現在、町指定文化財として鵡川大漁地蔵尊(通称イモッペ地蔵)、宮沢賢治の思想をまちづくりに生かそうとして作られた聖観世音菩薩像などがある。記念物としては、ハドロサウルス科の恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)など穂別地区で発掘された古生物化石がある。

こんな記事も読まれています

ニュースカレンダー

紙面ビューアー