とまチョップ、頑張って

  • 特集, 記者コラム「風」
  • 2024年11月20日
とまチョップ、頑張って

  苫小牧市政の取材を担当していた2022年3月までの約8年間、岩倉博文前市長(74)には気配りの人という印象があった。さまざまな会合やイベントに足を運び、市民の声を政策に生かす場面も見てきた。

   コロナ禍の初期、地域行事が軒並み中止となる中、幹部職員と共に地元企業の聞き取りに奔走し、迅速な支援策の立案に役立てていた記憶がある。冗談もよく耳にし、際どい発言で周りを慌てさせることもあったが、場を和ませたい気持ちが強かったように感じている。

   市庁舎で行われた5日の退任セレモニーでは、市長職への万感の思いを語った。集まった市民がしんみりしたところで一転、市公式キャラクターとまチョップの仕事の仕方に注文を付け始めた。最後は「とまチョップ、頑張って」の一言で締めくくり、庁舎内を笑いに包んだ。地元中学生の提案から自身の決断で誕生した人気者へのエールに、特別な思いを託したようにも聞こえた。(河)

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