シルバーリハビリ(シルリハ)体操に関心を寄せて、実際に取り組んでいる人も多いと思う。実はこの体操が、認知症予防などにも大きな効果を上げていることが、ある数字から実証されている。
それがこの体操の発祥の地と言われる茨城県の数値。県の要介護認定率が、全国で一番低い。2022年の全国の認定率が19・1%に対し、茨城は15・8%。同県は決して若い県ではなく、むしろ65歳以上の高齢化率は約30%と高い。それなのに、要介護認定率はかなり低い。
確かに認定率は人間が判定することから、そのジャッジに温度差があり、ばらつきもある。数字だけは計れないものもあるが、シルリハ体操が間違いなく認定率の抑制につながっていると医療関係者も太鼓判を押している。茨城では05年から体操への取り組みが始まり、これまでに60万人が関わってきたというから驚きだ。いつでも、どこでも、高齢者の外出意欲や、やる気スイッチを押しているという。上半身のストレッチや関節の曲げ伸ばしなど簡単に行えるのも特徴だ。介護予防の武器になっている。
お膝元の苫小牧はどうか。本紙でも紹介したが、このサロンがじわりと増えている。市内には37箇所にも。気軽な体操で健康維持。浸透させたい試みだ。(昭)