陶芸 成田 勇二さん(78) 土から作品作り 最も楽しい時間

  • まちのクリエーター, 特集
  • 2024年2月8日
無心でろくろを回す成田さん
無心でろくろを回す成田さん

 無心でろくろを回し、粘土の塊から大皿や花器などを生み出す。苫小牧市内で教室を開く「どろんこ陶友(とうゆう)会」の成田勇二会長(78)=美原町=は、制作だけでなく、作品の売上金の一部を市民文化芸術振興基金に寄付する活動にも取り組んできた。

   陶芸に出合ったのは56歳の時。先に入会した妻を追い掛けて入ったはずが、いつの間にか会長になるまでのめり込んでいた。粘土からの成形にはろくろを用い、ペダルで回転速度を調節しながら指を添える。「両手がぶれないように構えないと厚みが不均等になり、ゆがみの原因になる」と説明する。乾燥させた後に素焼き、絵付け、釉薬(ゆうやく)掛け、本焼き―と早くても1カ月を要する。

   どんなに時間がかかっても、「縄文土器のように、土から物を作るのは人間の本能であり、最も楽しく感じる時間」と柔和な表情を見せる。作品は湯飲みやコーヒーカップ、フクロウやネコといった動物など1万点以上に上る。

   割れない限り、何世紀も状態を保つことができるのも陶器の魅力という。「大きな器、小物、土偶など何でも作れるので、愛着がわく作品を手掛けてみてほしい」と話した。

  メ モ

   毎月第1・3土曜と日曜に苫小牧市文化会館で陶芸教室を開催している。問い合わせは携帯電話090(8632)2550。

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