街頭取材

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年11月27日

  道行く人に話を聞く街頭取材。新聞記者にとって基本的な仕事だが、新型コロナウイルス感染拡大に伴って、やりづらさを感じる機会が増えている。感染予防で他の人との接触を極力避けようとする人が増えたことはもちろん、マスク姿でお互いの表情がとかく伝わりづらいことが大きい。

   街頭取材では当然ながら、「答えてくれそうな人」を選んで呼び止める。人選にマニュアル化したようなコツはないが、歩き方一つにしても、早歩きは見送り、ゆっくり歩く人を選ぶなど、対象者をしっかり観察する。容姿も判断材料にならなくはないが、やはりその人が醸し出す雰囲気、そして表情が決め手になる。

   見ず知らずの相手が急に話を聞くとあり、警戒されることも織り込み済み。取材する内容によって、こちらも表情を作ってから、声を掛ける。どんな内容を聞けば、どんな答えが返ってくるか、ある程度は想定しながら、大抵は満面の笑みで話し掛ける。コロナ前は十中八九は成功した。

   「我慢の3連休」に新千歳空港で街頭取材をした。普段から早歩きの人が多く、行き交う人はみんなマスク姿。「目は口ほどにものを言う」などことわざはあるが、目元だけで表情を読み取れる人は意外と少ない。ターゲットを観光客に絞り片っ端から声を掛け、数人にご協力頂いたが、新人時代に戻ったような難しさ。コロナ禍は人同士の距離感をも変えるようだ。(金)

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