手技スクール&リンパケアサロンシャローム代表 対島 志保子さん(72) 人を元気にさせる充実感 確立した技術継承へ念願のスクール開校

  • 時代を生きて, 特集
  • 2024年12月21日
フェリーターミナルで働いていたころ、職場で撮影=1971~73年ごろ
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王子町に「エステ in インシャローム」を新装開店=2007年ごろ
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バリ島で勉強の合間に息抜き=2006年ごろ
バリ島で勉強の合間に息抜き=2006年ごろ
後進の育成に力を注いでいる対島さん
後進の育成に力を注いでいる対島さん

  今年6月、苫小牧市表町に「手技スクール&リンパケアサロン シャローム」を開業した。市内でエステサロンを営んで20年以上、「自分が確立した技術を継承したい」との思いを強くし、念願をかなえてのスクール開校だ。

   苫小牧の高校卒業後、苫小牧フェリーターミナルの運営会社に就職。「(運送業の)お客さんに各地の名産品をもらったりしてすごく楽しかった」と笑う。結婚後は家庭に入ったが、30代半ばに再就職。化粧品会社の指導員や冠婚葬祭プランナーなどとして活躍した。いずれの仕事も楽しかったし好きだったが「異動が多かったり、人間関係に悩んだり。40代後半からは更年期も重なり、体調を崩しがちになった」と振り返る。

   そんなとき、化粧品会社で働いていた頃の元同僚が小樽市で開いていたエステサロンを訪れ、全身リンパマッサージを体験。「体調が改善して更年期を克服できた。それを自分の体で実感した」ことから、「これから更年期を迎える人の役に立つのでは。人を笑顔にできると思った」と技術習得を決意。一年ほど毎日小樽に通いながら手技を身に付け、49歳で双葉町にベッド1台でサロンを開業した。

   「人を元気にさせることの充実感はすごかった」と当時の感動を振り返る。その後、54歳の時に1カ月ほどインドネシアのバリへ渡り、学校でエステ技術を学んだ。「海外に行くのも初めて。バリに行こうと思った訳ではなくて、学びたい学校がバリにあった」と技術向上への情熱はやまなかった。

   サロンの移転やスタッフ増員、ライフステージの変化に合わせた縮小、新型コロナ流行などを経て、スクール&サロンの開業に至った。対馬さんの施術は、痛みを感じさせないだけでなく、施術者への負担もない。現在は4人がスクールで勉強中という。「痛くないマッサージは難しい。でも、痛い目に遭ってお金を払うのはあり得ない」と訴える。

   「習うより慣れろ」。生徒に言う言葉だ。対馬さんの手はマッサージ中、客のつらいところに戻っていく。「手先で(つらいところが)見える。これは説明しようがない。頭で覚えるのでなく、体を作る」と話し、自身の技を惜しみなく伝えることに力を注いでいる。

   FMとまこまいでパーソナリティーも務める。「新鮮。やってよかった。どこまで向上してるか分からないけど、常に何かに挑戦したい」。未来を見据える笑顔は輝いて見える。

  (今成佳恵)

  ◇◆ プロフィル ◇◆

   対馬 志保子(つしま・しほこ)1952年5月9日、夕張市生まれ。駒大苫小牧高校入学時に苫小牧へ転居。40代でリンパマッサージの技術を習得。エステサロンを経営する。苫小牧市花園町在住。

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