難燃剤として家具や車のシートなどに広く使われていた物質「ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)」は、がんによる死亡リスクの上昇に関連していたと、中国と米国の共同研究グループが発表した。
PBDEは、体内蓄積性の高さなどから多くの国で使用が規制されている。自然環境で分解されにくいため、空気中や水中などにたまったものを取り込んでいる可能性がある。
研究グループは、2003~04年に米国の国民健康・栄養調査に参加した1100人(平均年齢42.9歳)を最大17年間追跡し、PBDEにさらされることと死亡リスクとの関連を調べた。
追跡期間中に199人が死亡し、分析の結果、血液中のPBDE濃度が最も低いグループに比べ、最も高いグループではがんによる死亡リスクが約4.1倍と高かった。ただし、全ての死因や心筋梗塞などの心血管疾患による死亡リスクとの関連はなかった。
(メディカルトリビューン=時事)