膝にかかる負担の分散や衝撃の吸収など重要な機能を担う半月板。変性が生じた半月板に対する「衝撃波治療」の効果をマウスによる実験で検証したところ、変性の進行が抑制されたと、群馬大大学院の研究グループが発表した。
半月板のすり減りや変性は、膝の痛みにより階段の昇降や正座などの動作が困難になる「変形性膝関節症」の発症に関係すると言われている。変形性膝関節症の治療では人工関節に置き換える手術や、膝の痛みを和らげるヒアルロン酸注射が行われるが、半月板の変性に対する有効な治療法はない。
研究グループは、膝の靭帯(じんたい)を損傷させたマウスの半月板に衝撃波を照射し、痛みを取り除いて損傷の修復を促す治療の効果を検証する実験を行った。
治療の4週間後と12週間後に半月板の形態を評価したところ、半月板の変性が抑制されていた。また遺伝子解析の結果、治療の過程で軟骨の修復に関わるタンパク質の発現量が増加したことも分かった。
(メディカルトリビューン=時事)