花粉量増大セルフケアを ピークは昼すぎ、夕方も注意

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  • 2024年2月29日
スギの雄花(右下)と雄花を付けたスギ(花粉情報協会の佐橋紀男さん提供)
スギの雄花(右下)と雄花を付けたスギ(花粉情報協会の佐橋紀男さん提供)
花粉を飛ばすスギ(左)と花粉(同)
花粉を飛ばすスギ(左)と花粉(同)
スギ花粉を避けるこつ
スギ花粉を避けるこつ

  くしゃみや鼻水、目のかゆみがつらい花粉症。花粉の飛び方の特徴を知り、鼻や目に入る量を減らして症状を抑えるセルフケアにつなげたい。

   全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした調査では、花粉症がある人の率は2019年時点で42・5%と、1998年の19・6%から倍増している。要因として食生活や腸内細菌の変化などが指摘されているが、中でも大きいとみられているのは花粉飛散量の増大だ。

   NPO法人花粉情報協会(事務局・千葉県習志野市)で、飛散の測定に当たる佐橋紀男・元東邦大教授は「2000年までの20年間と01年からの20年間の平均を比べると、地域によってはスギ花粉の飛散量が2~3倍になっています」と指摘する。花粉を盛んにつくる樹齢を迎えた木が多いことや、地球温暖化が原因だと考えられるという。

   環境省の「花粉症環境保健マニュアル」によると、地域による差はあるものの、スギ花粉の飛散開始はおおむね2月。約7~10日後に花粉の量が増え出し、4週間程度は花粉が多い時期が続く。

   この時期に、▽晴れて気温が高い▽空気が乾燥して風が強い▽雨上がりの翌日や気温の高い日が2~3日続いた後―といった天気になると特に増える。「スギが花粉を飛ばしやすい上、花粉が風で飛びやすくなります」と環境省の担当者は話す。

   スギ林で早朝に飛んだ花粉は午前中に住宅街に到達し、昼すぎにピークが来る。佐橋さんによると、都市部では花粉がコンクリートやアスファルトの上にたまることなどから、夕方に空気の対流が起きると再び舞い、第2のピークになる。

   日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会の「アレルギー性鼻炎ガイド」は、花粉を極力避けるセルフケアの重要性を強調する。花粉情報に注意し、花粉が多い時は窓や戸を閉めること、外出時はけば立った服を避け、マスクや眼鏡を着用することを推奨。帰宅時は服や髪をよく払い、室内に持ち込まないよう呼び掛けている。

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