慢性腎臓病(CKD)は、進行すると人工透析や腎移植などが必要になるが、透析導入前の早期でも年間の医療費が2・7~18・7万円増加していたと、広島大大学院などの研究グループが発表した。
研究グループは、2014年に健康診断を受けた7万9988人(30~70歳)のデータを分析。早期CKDに該当した4268人(5・3%)を、症状で(1)尿タンパク陽性(2899人)(2)軽度~中等度の腎機能低下(1116人)(3)軽度~中等度の腎機能低下と尿タンパク陽性(253人)―に分け、5年間の医療費の変化を検討した。
その結果、1年後の年間医療費はCKDがない人と比べ、(1)で2・7万円、(2)で9・1万円、(3)では18・7万円増え、その後も継続して増加していた。研究グループは「まずは健診で早期CKDを発見し治療することで、医療費増加を抑制する必要がある」としている。
(メディカルトリビューン=時事)