排卵障害を起こし不妊の原因にもなる多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群(PCOS)の患者は、中年期に認知機能の低下が起こりやすい可能性があると、米国の研究グループが発表した。
PCOSは肥満や糖尿病に関連するとされるが、認知機能との関係は明らかでない。研究グループは、1985~86年に米国の研究に参加した18~30歳の女性907人のデータから追跡。PCOSと認知機能との関係を調べた。
30年後の時点で66人にPCOSが認められた。5種類の認知機能検査を行った結果、PCOSがない人と比べ、ある人では平均スコアが約11%低かった。特に記憶力、注意力、言語能力のスコアが低かった。
また、研究の25年目と30年目に脳のMRI検査を受けた291人の解析から、PCOSが認められた25人に脳の老化を示唆する所見が認められた。
(メディカルトリビューン=時事)